法定相続情報一覧図とは|作り方・必要書類・メリットをわかりやすく解説

相続手続きでは、銀行・証券会社・法務局など、手続き先ごとに亡くなった方の出生から死亡までの戸籍一式を提出するよう求められます。戸籍が十数通になることも多く、「窓口に出しては返してもらい、次の窓口へ…」を繰り返すのは大変です。

この負担を軽くしてくれるのが、法務局の「法定相続情報証明制度」と、そこで交付される「法定相続情報一覧図の写し」です。本記事では、制度のしくみから作り方、必要書類、使うときの注意点まで解説します。

📋 この記事でわかること

  • 法定相続情報一覧図とは何か、どんなメリットがあるか
  • 申出から交付までの流れと必要書類
  • 一覧図の写しが使える手続き
  • 作る前に知っておきたい注意点

法定相続情報一覧図とは

法定相続情報一覧図とは、亡くなった方(被相続人)と相続人の関係を1枚の図や一覧にまとめたものです。

相続人が作成した一覧図と戸籍一式を法務局に提出すると、登記官が内容を確認し、認証文を付けた「一覧図の写し」を交付してくれます。この写しが、戸籍一式の代わりとして各種の相続手続きで使えます。これが法定相続情報証明制度で、2017年(平成29年)5月に始まりました。

ℹ️ 一覧図の形式は、家系図のような「図形式」と、相続人を並べて書く「列挙形式」の2種類があります。法務局のホームページに記載例やひな形が公開されています。

法定相続情報一覧図を作るメリット

① 戸籍の束を何度も出さなくてよい

手続き先には、一覧図の写しを1枚出すだけで済みます。戸籍一式の原本を返してもらうのを待つ必要がありません。

② 複数の手続きを同時に進められる

一覧図の写しは、必要な枚数を無料で交付してもらえます。銀行Aと銀行B、法務局などへ並行して提出できるので、手続き全体の期間を短くできます。

③ 手続き先の確認がスムーズになる

受け取る側も、何通もの戸籍を読み解く必要がなくなります。そのため、窓口での確認が早く終わることが多いです。

④ 手数料は無料、5年間は再交付も可能

申出にも交付にも手数料はかかりません。法務局には一覧図が5年間保管され、その間は写しの再交付を受けられます。

申出から交付までの流れ

手順 内容
1. 戸籍などを集める亡くなった方の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍などを取り寄せます
2. 一覧図を作る戸籍の内容をもとに、図形式または列挙形式で一覧図を作成します
3. 申出書を書く必要な写しの枚数や、交付の受け取り方法(窓口・郵送)を記入します
4. 法務局に提出窓口に持参するか、郵送で提出します
5. 写しの交付登記官の確認後、認証文付きの写しが交付されます。提出した戸籍は返却されます

交付までの期間は、法務局の混雑状況によりますが、1〜2週間程度が目安です。

申出できる法務局

次のいずれかの地域を管轄する法務局(登記所)に申し出ることができます。

  • 亡くなった方の本籍地
  • 亡くなった方の最後の住所地
  • 申出をする相続人の住所地
  • 亡くなった方名義の不動産の所在地

郵送でも申出ができるので、相続人が遠方に住んでいる場合でも利用しやすい制度です。

必要書類

書類 ポイント
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍途中が1通でも欠けると受け付けてもらえません
亡くなった方の住民票の除票最後の住所を確認するためのもの。取れない場合は戸籍の附票で代えられることがあります
相続人全員の現在の戸籍亡くなった日以降に発行されたものが必要です
申出人の本人確認書類運転免許証やマイナンバーカード(表面)のコピーに、原本と相違ない旨を記載して署名します
相続人全員の住民票(任意)一覧図に相続人の住所を記載する場合のみ必要です
法定相続情報一覧図申出人が作成します
申出書法務局のホームページから様式をダウンロードできます

ℹ️ 一覧図に相続人の住所を載せておくと、相続登記などで住所の証明を別に求められる場面で役立つことがあります。今後の手続きに合わせて検討してください。

出生から死亡までの戸籍のたどり方は、「出生から死亡までの戸籍の集め方」で詳しく解説しています。

一覧図の写しが使える主な手続き

  • 預貯金の解約・名義変更(銀行・ゆうちょ銀行・信用金庫など)
  • 相続登記(不動産の名義変更)
  • 証券会社での株式・投資信託の名義変更
  • 相続税の申告
  • 遺族年金などの年金手続き

⚠️ 一覧図の写しを受け付けるかどうか、どんな形式なら受け付けるかは、手続き先ごとに異なります。たとえば相続税の申告では、養子がいる場合に実子か養子かがわかる記載が求められるなどの条件があります。事前に手続き先へ確認しておくと安心です。

作る前に知っておきたい注意点

戸籍集めの手間は省けない

一覧図を作るには、結局、戸籍一式をすべて集める必要があります。制度が助けてくれるのは「集めた後」の手間です。手続き先が1〜2か所しかない場合は、あえて作らなくてもよいケースもあります。

相続放棄や遺産分割の内容は載らない

一覧図は、あくまで戸籍上の相続関係を示すものです。誰かが相続放棄をしていても、その人は一覧図に相続人として記載されます。誰が何を相続するかも載らないため、手続きによっては別途、遺産分割協議書や相続放棄申述受理証明書などが必要です。

戸籍で証明できない相続関係には使えない

この制度は、日本の戸籍で相続関係を確認できることが前提です。亡くなった方や相続人に外国籍の方がいて、戸籍だけでは相続関係を証明できない場合は利用できません。

相続が重なっている場合は1人ずつ作る

祖父の相続手続きが終わらないうちに父も亡くなった、というように相続が重なっている(数次相続)場合、一覧図は亡くなった方ごとに作成します。

よくある質問

Q. 申出は相続人全員でしなければなりませんか?

A. いいえ。相続人のうち1人が申出人になれば大丈夫です。

Q. 行政書士に代理を頼めますか?

A. はい。申出は、親族のほか、行政書士・司法書士・弁護士などの専門家が代理人として行うことができます(不動産登記規則247条2項2号)。戸籍の収集から一覧図の作成、法務局への申出までまとめて依頼できます。

Q. 写しが足りなくなったら?

A. 一覧図の保管期間(5年間)内であれば、申出人が法務局に再交付を申し出ることができます。戸籍を集め直す必要はありません。

まとめ

  • 法定相続情報一覧図の写しは、戸籍一式の代わりとして相続手続きに使える書類です
  • 手数料は無料で、必要な枚数を交付してもらえるため、複数の手続きを同時に進められます
  • 作るには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍など、戸籍一式を集める必要があります
  • 相続放棄や遺産分割の内容は載らないため、手続きによっては別の書類も必要です
  • 行政書士が代理で申出をすることもできます

💬「銀行が3つあって、戸籍を出したり返してもらったりするのが大変」

💬「戸籍はそろえたけれど、一覧図の書き方がわからない」

このような段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。


戸籍集めから一覧図の作成まで、まとめてお任せください

相続人調査・戸籍収集、法定相続情報一覧図の作成、遺産分割協議書の作成を、福岡市中央区の女性行政書士が丁寧にサポートします。
オンラインでのご相談にも対応しています。

ホームページから相談する LINEで気軽に相談する

ご相談は無料・秘密厳守です。LINEなら予約もスムーズです。

▼ あわせて読みたい関連記事

▶ 相続人調査とは|戸籍の集め方と行政書士に依頼するメリット

▶ 出生から死亡までの戸籍の集め方|相続手続きに必要な戸籍をたどる方法

▶ 法定相続人の範囲と順位|誰が相続人になるかをケース別に解説

▶ 遺産分割協議書の書き方と注意点


SEED行政書士事務所(福岡市中央区)
特定行政書士 森本智恵子
✉ mori.connect.gyosei@gmail.com

相続人調査・戸籍収集、遺産分割協議書の作成に関するご相談は、福岡市中央区のSEED行政書士事務所へ。
対応エリア:福岡市(中央区・博多区・東区・南区・城南区・早良区・西区)、糸島市など。
オンライン相談により、遠方の方のサポートも可能です。

著者

特定行政書士 森本 智恵子

SEED行政書士事務所(福岡市中央区)

福岡市中央区を拠点に、ご家族を亡くされた方の相続手続きをサポートしています。相続は、書類を揃えるだけの作業ではありません。お客様お一人おひとりの人生の節目に立ち会う仕事だと考え、親身かつ迅速な対応を信条としています。
戸籍の収集は日常的に扱っている分野です。古い戸籍の読み取りや、請求先が何か所にもわたるケースにも対応いたします。難しい言葉を使わず、分かりやすく丁寧な説明を心がけておりますので、初めての方もどうぞご安心ください。

\ 最新情報をチェック /